関節外科外来

令和4年4月から、浜田山病院が更に発展します!

 地域医療を担う整形外科病院として19年の歴史をもつ浜田山病院。小瀬院長のもとで整形外科の各分野における数多くの実績をあげてきましたが、この度
 

人工膝関節、人工股関節手術のエキスパート、
清水先生を浜田山病院に御迎えしました!

 人工膝関節、人工股関節手術はとても有効な手術で、その手術件数は欧米でも、高齢化社会の日本でも年々増加しています。けれども「手術の成績は手術を行う医師の腕に大きく左右される」事を、一般の方はあまり御存知ないようです。腕の良い医師の手術であれば期待通りの効果が得られますが、そうでない場合は悲惨な思いをする事も少なくありません。
 手術を受けるのであれば、「最高の手術を受けたい」と願うのは当然ですが、どこに腕の良い医師がいるかはなかなかわかりません。大きな病院、有名な病院に必ずしも腕の良い医師がいるとは限りませんし、インターネットや雑誌などの口コミ、評判も、多分に宣伝に彩られています。最もあてになるのは、実際に手術を受けた方に直接話を聞く事ですが、なかなかこういう機会には恵まれないでしょう。
 腕の良い医師を見つける一つの指標は、やはりその先生が「直接行った手術の実績」ではないかと思われます。駆け出しで数十例しか人工関節手術をした事がない医師と、数千例以上の実績がある医師では、その成績には大きな違いがあります。また、腕の良い医師は研究を怠らず、学会で発表したり、新しい知識を吸収する努力を日夜行っています。
 今回浜田山病院に御迎えしました清水先生は、自身で行った「人工膝関節手術が3000例以上」「人工股関節手術が2000例以上」(図1)と、日本でも有数の、数多くの手術を行っている先生で、以前勤務していた千葉県近隣では、「手術件数が多く手術の上手な医師」として大変有名でした。また若い頃にはアメリカのワシントン大学に留学し、人工膝関節で有名なホワイトサイド先生のもとで研修と研究を行いました。


図1

学会活動としては日本人工関節学会の評議員を務める一方で、演題採択率13%という超難関のアメリカ整形外科学会で通算31回英語で学会発表を行い、2013年には栄誉ある「アメリカ整形外科学会最優秀賞」を授与されています(図2)。

図2

アメリカ整形外科学会(AAOS)で人工関節置換術後の腸腰筋萎縮研究で最優秀賞を受賞。

またOEC(整形外科教育委員会)の人工膝関節部門の講師として、東京大学、京都大学、日本医科大学、東邦大学等の教授の先生方と共に後輩の育成にも携わっています。大変手術の上手な医師として千葉県近隣でも超有名な先生でしたが、実家のある東京に転居されたのを契機に浜田山病院に御迎えしました。高井戸小学校、高井戸中学校、都立西高校を卒業後、千葉大学医学部で勉学にいそしみ千葉で活躍された後、此度ふるさとの地である浜田山病院に勤務するのも何かの因縁でしょうか。高名な先生を迎える事ができスタッフ一同大変喜んでおりますが、是非多くの方々に浜田山病院の清水先生を知っていただければと思いご紹介いたします。

略歴

1974年、高井戸中学校卒業
1977年、都立西高等学校卒業
1984年、千葉大学医学部卒業、千葉大学整形外科入局
1985年以降、関連病院と千葉大学で研修し、博士号を取得した後
1994年、ワシントン大学(アメリカ合衆国、セントルイス)留学
1997年、千葉労災病院勤務。整形外科部長、人工関節センター長、院長補佐を歴任
2022年4月、浜田山病院就任

資格等

1984年、医師免許取得
1991年、整形外科専門医取得
1994年、博士号取得
1998年、リウマチ認定医取得
2011年、人工関節学会評議員
2013年、OEC(整形外科教育委員会)講師

人工膝関節に関しては、世界的に有名なアメリカのホワイトサイド先生、日本の第一人者である東邦大学勝呂徹教授の直々の指導を受けました。その後、自ら執刀した人工膝関節手術は「3000件以上」にのぼります。人工膝関節手術のアプローチに関しては、試行錯誤を繰り返した後、侵襲が少なく体に優しい「Subvastus-approach」で手術を行うようになりました。この「Subvastus-approach」は大変難しい手技なので敬遠する医師が大部分ですが、「内側広筋」という筋肉を傷つけずに手術が可能な大変優れた方法です。清水医師は更に改良を加え、創も目立ちにい改良方式の「Direct-Subvastus-approach」(図3)を開発して使用し、患者さんからも好評を博しています。

図3

人工膝関節の機種に関しては、当初ホワイトサイド先生が開発された機種を使用していましたが、その後「東邦大学勝呂教授」が開発された日本人の生活に適合して屈曲が良好な「ファイン・ニー」を採用し、更に良い成績を上げる事が出来ました。人工膝関節の種類には、後十字靭帯を残す「CRタイプ」と、後十字靭帯を切除するPSタイプの二つがあります。後十字靭帯を残すCRタイプは手術は難しいのですが長持ちすると考えられていますので、大部分の方には「CRタイプ」を行っています。また人工関節を骨に接合するには、直接金属と骨を接合させる「セメントレス・タイプ」と、骨セメントで接着するセメント・タイプがあります。セメントレス・タイプは手術が難しくなりますが、比較的若い方や活動の盛んな方にも使用できますので、基本的には「セメントレス・タイプ」を中心に手術を行っています(図4)。

図4

CRでセメントレス・タイプ」の人工膝関節手術を受けた方の中には、ゴルフ、ボーリング、卓球、テニス、スキー、ゲートボール等の「軽いスポーツ」を楽しんでいる方が大勢おられます(図5)。

図5

人工膝関節手術の成績は大変良好で、「痛みの90%以上が消失」し、手術の後の屈曲角度も平均133°と良好で、「しゃがみ込み」が可能になる方も多数おられます(図6)。

図6

中には正坐が可能になる方もいますが、正坐は人工関節に大きな負担をかけますので積極的にはお勧めしていません。可動域が増すと階段昇降も楽に行えるようになり、また、密かに悩んでいたO脚も治ってきれいな脚になり(図7)、近所の方々から褒められるといった事も多いようです。

図7

合併症としては、感染と血栓塞栓が最も心配されますが、充分な予防措置をとる事により、感染率は0.4%以下、血栓塞栓も0.3以下、輸血率も0.2%以下となっています。手術の後15年経っても、96.4%の方は楽しく生活を送られています。 手術のスケジュールとしては、外来で必要な検査と手術の説明を行い、手術前日に入院、手術翌日にはベット上で起き上がり、術後2日目からは体重を全部つけて歩行練習とリハビリを開始します。入院期間はリハビリを含めて「通常3週間」ですが、早く帰りたい方は「2週間」で、一本杖か杖無し歩行で退院します。人工股関節に関しては、従来世界で最も広く用いられている「後方アプローチ」を使用していますが、更に「外旋筋という筋肉を再建」してより体に優しい方法に改良しています。最近「前方アプローチ」を行う施設も増えていますが、前方アプローチの場合は筋肉を傷める事は少ないものの選択できる機種が限られてしまいます。「最も大切なのは、最適な機種を選び、確実な手術を行い、長持ちさせる事」であるとの考えのもとに、「後方アプローチ」を用いて確実な手術を行い、大変良い成績を上げています。固定法としては人工膝関節と同様に「セメントレス・タイプ」の、従来から定評のあるオーソドックスな機種を採用して手術を行ない、大変安定した良好な成績が得られています(図8)。

図8

セメントレス・タイプの人工股関節手術を受けた方の中には、ゴルフ、ボーリング、卓球等の「軽いスポーツ」を楽しんでいる方々も多く、中には野球のコーチ、日本舞踊等を楽しんでいる方もおられます(図10、11)。 

図10

図11

人工股関節手術の成績も大変良好で、「痛みの95%以上が消失」し、短かった脚も正常な長さに戻す事が可能で、関節の動きも改善します。合併症としては、人工膝関節と同様に感染と血栓塞栓が最も心配ですが、充分な予防措置をとる事により、感染は0.1%以下、血栓塞栓も0.2%以下、輸血率も0.1%となっています。手術の後15年経っても、98.1%の方は楽しく生活を送られています。 また人工股関節特有の合併症として「脱臼」すなわち、人工関節の骨頭が外れてしまうという事があり、以前は20人に1人ぐらいに脱臼が起こっていた時代もありました。けれども技術革新により「大きな骨頭」を使用できるようになり、また手術の技術も向上したことから、清水医師が手掛ける人工股関節手術では、今では脱臼率は0.2%以下(500人に1人)と大変低くなっています。 手術のスケジュールとしては、外来で必要な検査と手術の説明を行い、手術前日に入院、手術翌日にはベット上で起き上がり、術後2日目から体重を全部つけて歩行練習を開始します。入院期間はリハビリを含めて「通常2週間」、早く帰りたい方は「10日」で、一本杖か杖無し歩行で退院します。 膝関節や股関節に長年痛みを抱え手術を受けようかと迷われている方は、是非浜田山病院の清水医師に御相談ください。皆様の明るい未来の為に、スタッフ一同お待ちしております。 外来診察日:月曜午後(14:00~17:00)、火曜午前(9:00~11:00)、水曜午前、木曜午後、金曜午後。詳しくは電話でお問合せ、ご予約ください。

清水 耕  しみず・こう/都立西高校卒業。1984年千葉大学医学部卒。93~95年人工関節で有名な米国ワシントン大学に留学。人工関節学会評議員。日本整形外科学会指導医。日本リウマチ学会専門医。アメリカ整形外科学会会員他