脊椎手術/BKP(Balloon Kyphoplasty

この治療法は、骨粗鬆症や脊椎の腫瘍によって背骨がつぶれてしまった骨折(圧迫骨折)と、それにより背中が後方に向かって変形した状態(後弯変形=Kyphosis)による痛みを改善させる新しい治療法になります。

これまでに行なわれてきた椎体形成術(椎体内への人工骨や骨セメント注入等)に比べて、手術の安全性は高く、短時間の手術で早期に痛みの軽減が行えること、生活の質の向上が期待できます。

手術の対象となる方

骨粗鬆症などによる脊椎圧迫骨折の患者さまであり、なおかつ様々な保存的治療を行なっても痛みの改善されない方が対象となります。
ただし、骨折した骨の数や形、全身の健康状態等によっては対象とならない患者さまもおられます。

バルーン椎体形成の手順

全身麻酔下で図のような器具を経皮的に椎体内に刺入し、バルーンを膨らませて圧迫骨折を整復してから骨セメントを注入し固定します。
骨セメントは10分程度で硬化し、手術は1時間程度の短時間で行なわれます。

個人差はありますが、手術の翌日から歩行が可能になり、入院期間は数日になります。
背中を二箇所(1cm程度)しか切開しないので、大きな傷跡が残ることはありません。


当院でBKPを行なった実例

左の図が手術前の状態で、腰椎圧迫骨折によって潰れてしまった背骨です。
当院でのBKPの手術により、潰れてしまった背骨が右図の手術後の写真のように5.5mmも回復しました。
この患者さまは手術を行なった翌日から痛みもほとんどなく生活できるようになりました。